2011年11月、フランス「ドーム」より、同クリエーション工房のマネージャー兼パート・ド・クリスタルの専門職人であるブノワ・クランツ氏が来日し、
日本橋三越本店と、大阪のドーム リーガロイヤルショップにて、臨場感あふれる「モールド・ブレーキング(石膏の鋳型を割り、中にある
パート・ド・クリスタルの作品を取り出す工程)」の実演を行いました。
今回の来日中に行われた、クランツ氏のインタビューをご覧ください。
![]() ▲ブノワ・クランツ氏
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ブノワ・クランツ氏 プロフィール |
ブノワ・クランツ氏(以下B・K) : アトリエのマネージャーとしてクリエーション全体に関わっています。
アーティストたちとの窓口を務めたり、ドーム独自のクリスタルの色を出すために、化学者たちとも一緒に仕事をしています。
その他にも、パッケージを製作する業者や、台座などクリスタル以外のパーツを製作する業者を探したり、その資材の手配なども行っています。
そして、他にもう一つドームのスポークスマン(広報)としての役割があります。
今回のような「モールド・ブレーキング」の実演をすることも私の大切な仕事です。
- 今回の「モールド・ブレーキング」の工程を行えるようになるまで、どれくらいの経験が必要でしょうか?
B・K : 少なくとも数年はかかります。アトリエで見習いとして働き、そしてそこでクリスタル制作の |
![]() ▲実演中のクランツ氏
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B・K : ドームで働くきっかけは、そうですね、運命でしょうか(笑)。
私はアルザスで生まれ、ずっとガラスの世界で生きてきました。
ドームに入る前もガラス業界で働いていましたが、アートを志向するドームで働くことを決めたのです。ドームにはもう25年もいます。
途中1年間アートの勉強をして、その後は現在までずっとドームのクリエーション工房のマネージャーとして働いています。
とにかく、昔から「ドーム」のブティックのショーウィンドーの美しさに心を奪われてきました。彫刻が好きなんですよ。
B・K : 美的感覚に優れ、技術的な高度さを求められる作品に対峙するとき、非常にやり甲斐を感じます。
また、どちらかというとコンテンポラリーなものに強く惹かれます。実際制作するのはとても難しいことですが、より美しいもの、
よりテクニックを必要とされるものが好きです。
B・K : やはり「モールド・ブレーキング」でしょうか。美しい色のクリスタルを取り出すのは本当に楽しい作業です。
そして作業ではありませんが、アーティストたちとコラボレーションすることも楽しいことです。
彼らが考えることを、クリスタルで表現していくことが喜びです。
B・K : 正直、全ての作業が難しいです。
特にと言われると、やはり「モールド・ブレーキング」でしょうか。クリスタルは大変繊細なので、石膏を崩して作品を取り出すことは、非常に神経の集中が要されます。そして、最後の仕上げもとても難しい作業です。
大変時間がかかる上に、ドームが要求するレベルに仕上げていくので、非常に高度な技術が必要となるのです。
B・K : 日本の自然が好きです。日本は、自然と作品がつながっている国だからです。それは私にとってもとても大切なことなのです。
ドームというブランドの始まりは、日本の自然や美術に影響を受けたことがきっかけですから、私は日本に本当に来てみたかったのです。
そして、伝統とモダンが共存した東京という都市も魅力的ですね。人が多くいるので驚きました。僕の住んでいる所とは大違いです(笑)。
(今回のインタビューは、東京で行われました)
B・K : 今回、私が実際に日本に来て、お客様に「ドーム」の作品をお見せすることができて本当に嬉しく思っております。
「ドーム」に対する「愛情」に心から感謝を申し上げます。私ももちろん、「ドーム」に対する「愛情」に溢れています。
これからも、皆様の期待に添えるような作品を発表していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。