ドームクリスタル 実演アーティスト「ブノワ・クランツ氏」インタビュー

2011年11月、フランス「ドーム」より、同クリエーション工房のマネージャー兼パート・ド・クリスタルの専門職人であるブノワ・クランツ氏が来日し、
日本橋三越本店と、大阪のドーム リーガロイヤルショップにて、臨場感あふれる「モールド・ブレーキング(石膏の鋳型を割り、中にある
パート・ド・クリスタルの作品を取り出す工程)」の実演を行いました。

今回の来日中に行われた、クランツ氏のインタビューをご覧ください。

▲ブノワ・クランツ氏

ブノワ・クランツ氏 プロフィール

Benoît Kranz
1961年生まれ。
1986年よりドームのガラス部門に在籍。
2000年、パート・ド・クリスタルを専門にガラス工芸の職業訓練を受ける。
2001年よりドーム・クリエーション工房のマネージャーとして活躍。現在はガラス工芸の
継承者を育成する学校でも指揮に当たるなど、大きく貢献しています。

- ドーム・クリエーション工房では、どのような分野を担当されていますか

ブノワ・クランツ氏(以下B・K) : アトリエのマネージャーとしてクリエーション全体に関わっています。
アーティストたちとの窓口を務めたり、ドーム独自のクリスタルの色を出すために、化学者たちとも一緒に仕事をしています。
その他にも、パッケージを製作する業者や、台座などクリスタル以外のパーツを製作する業者を探したり、その資材の手配なども行っています。
そして、他にもう一つドームのスポークスマン(広報)としての役割があります。
今回のような「モールド・ブレーキング」の実演をすることも私の大切な仕事です。

- 今回の「モールド・ブレーキング」の工程を行えるようになるまで、どれくらいの経験が必要でしょうか?

B・K : 少なくとも数年はかかります。アトリエで見習いとして働き、そしてそこでクリスタル制作の
実践的な技能を修得していきます。
そのなかで、石膏の鋳型を割りクリスタルを取り出すという「モールド・ブレーキング」の作業も身に
つけていきます。

実演中のクランツ氏

▲実演中のクランツ氏
- 仕事をはじめたきっかけは何ですか?

B・K : ドームで働くきっかけは、そうですね、運命でしょうか(笑)。
私はアルザスで生まれ、ずっとガラスの世界で生きてきました。
ドームに入る前もガラス業界で働いていましたが、アートを志向するドームで働くことを決めたのです。ドームにはもう25年もいます。
途中1年間アートの勉強をして、その後は現在までずっとドームのクリエーション工房のマネージャーとして働いています。
とにかく、昔から「ドーム」のブティックのショーウィンドーの美しさに心を奪われてきました。彫刻が好きなんですよ。

- 制作者として具体的にはどのような作品を好まれますか?

B・K : 美的感覚に優れ、技術的な高度さを求められる作品に対峙するとき、非常にやり甲斐を感じます。
また、どちらかというとコンテンポラリーなものに強く惹かれます。実際制作するのはとても難しいことですが、より美しいもの、
よりテクニックを必要とされるものが好きです。

- 作品を作る際に、楽しい/好きな作業は何ですか?

B・K : やはり「モールド・ブレーキング」でしょうか。美しい色のクリスタルを取り出すのは本当に楽しい作業です。
そして作業ではありませんが、アーティストたちとコラボレーションすることも楽しいことです。
彼らが考えることを、クリスタルで表現していくことが喜びです。

ボウル バンブー

▲エミリオ・ロバ作「ボウル バンブー」
※クリックで拡大画像が表示されます
- 今までコラボレートしてきた中で最も好きなアーティストはいますか?

B・K : (笑)とても難しい質問ですね。もし一人だけ・・・と言われたらそうですね、
エミリオ・ロバ(Emilio Robba)でしょうか。彼の才能は素晴らしく、作品はソフィティスケイト
されています。人間的にはとてもシンプルなアーティストです。
また、キャルロス・マタ(Carlos Mata)も尊敬しています。
そして、忘れてはならないのがジャック・ヴィルグレ(Jaques Villegé)。
とても偉大な芸術家です。


- 反対に特に難しい、緊張をする作業は何ですか?

B・K : 正直、全ての作業が難しいです。
特にと言われると、やはり「モールド・ブレーキング」でしょうか。クリスタルは大変繊細なので、石膏を崩して作品を取り出すことは、非常に神経の集中が要されます。そして、最後の仕上げもとても難しい作業です。
大変時間がかかる上に、ドームが要求するレベルに仕上げていくので、非常に高度な技術が必要となるのです。

- 日本の好きなところや好きなもの、強い印象を受けた事はありますか

B・K : 日本の自然が好きです。日本は、自然と作品がつながっている国だからです。それは私にとってもとても大切なことなのです。
ドームというブランドの始まりは、日本の自然や美術に影響を受けたことがきっかけですから、私は日本に本当に来てみたかったのです。
そして、伝統とモダンが共存した東京という都市も魅力的ですね。人が多くいるので驚きました。僕の住んでいる所とは大違いです(笑)。
(今回のインタビューは、東京で行われました)

- 日本のファンにメッセージをお願いします。

B・K : 今回、私が実際に日本に来て、お客様に「ドーム」の作品をお見せすることができて本当に嬉しく思っております。
「ドーム」に対する「愛情」に心から感謝を申し上げます。私ももちろん、「ドーム」に対する「愛情」に溢れています。
これからも、皆様の期待に添えるような作品を発表していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。